ねじめし逸品 第3回 『韓菜酒家 ほうば』

タイ・バンコクのタイ料理店「NAHM(ナーム)」が、食の専門家やジャーナリストが選ぶ世界の“ベストレストラン”アジア部門で1位を獲得したという。奇しくも昨年訪れたタイで「NAHM」のディナーを楽しんだことが思い出された。

クーデター、そして戒厳令が敷かれて緊張がつづくタイだが、優しい国民性と素晴らしい文化を持った国だけに、早期の正常化を祈るばかりである。

 

国内国外いつでもどこでも、毎日食べる事ばかり考えてる、私。
1日に3回も欲望を満たせる素晴らしい行為と喜ぶ、私。
でも逆に言えば3回しかない…と悲しむ、私。
強欲極まりない。

 

というわけで? 久しぶりの”ねじめし逸品”をお送りしよう。

今回は神戸を離れて大阪、天満。韓国料理「韓菜酒家 ほうば」さんである。

日本一長いという天神橋筋商店街の東の一帯、網の目のように入り組んだ路地に無数にひしめく店・店・店…。
夜にもなると、何処からともなく湧き出てきた無数の老若男女が真夏の夜の夢の如く行き交い、南国の極彩色のけたたましさにも似た、飲み・食いジャングルと化す。
映画「ブレードーランナー」にでも出てきそうな、大阪というよりアジアの猥雑さとエキゾチシズムが渦巻くエリアを抜けたあたりに、その店はある。

 
若夫婦とオモニの3人で切り盛りなさっている店内は、下町の食堂の風情がある20席ほどのお店。
韓菜酒家とあるように供されるのは韓国料理なのだが、これが辛くないのだ。いや、もちろん辛味という意味では辛いんだが…
とにかくこのお店では、そんな「辛いか・辛くないか」なんて議論が馬鹿らしくなるような食経験が待っている。

惜しげもなく繰り出してくる高級食材。
その食材本来の味わいを最大限に生かしたお料理。
これらに自分の食経験やら先入観を持って挑むと、大変なことになってしまう。
そう、まあ、どっちにしろヤラれてしまうのだが、あきらかに日常とは隔絶した至福の味世界を体験させていただくことが出来る。

自分でも何を言ってるのかよくわからない気もしてきたが「筆舌に尽くしがたい」というのは、このことだろう。

[写真左から1] あわび地獄粥!
[2] イセエビ醤油漬け?
[3] 金目鯛韓国風煮付
[4] 御口直し、何処まで行っても柚子・柚子・柚子の氷結柚子冷麺

 
 

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