浴衣でモエ・エ・シャンドン
1年に1度の逢瀬の物語を想う7月7日、七夕の夜。
そんなロマンチックな夜に、グランフロント大阪・北館6階『UMEKITA FLOOR』では魅力的なイベントが催された。
「浴衣でモエ・エ・シャンドン」
うーん、字面の時点で素敵。
私の脳裏には、しゃなりとした浴衣姿のレディーたちがシャンパングラス片手に微笑む様子が浮かぶ。粋である。
“大人の社交場(たまり場)”UMEKITA FLOORの面目躍如ってとこだろう。
そんなわけで我々も浴衣を用意して、いざウメキタ。
当日UMEKITA FLOORの各店では、浴衣姿ならモエ・エ・シャンドン1杯500円(!)というサービスをしていたこともあり、フロアを行く人はみんなシャンパングラス常備な状態。
浴衣のレンタル&着付けなんてのもやっており、ますます浴衣度が上がる。
フロアでは浴衣ライブもおこなわれ、みんなが思い思いに楽しんでくれていた。
トドメにはフロアの通路をキャットウォークに見立てた浴衣ファッションショー。
元々ノンジャンルで多文化、なんでもアリなUMEKITA FLOOR。ここにに浴衣の華やかな風流さがミクスチャーされて、なんともいえない「エエ感じ」の空気感が醸し出されていた。
ところで、七夕といえば「いつも雨」という印象がないだろうか。
今年も案の定の雨模様だったが、どこかで「1年に1度の逢瀬だからこそ、みんなに見られて邪魔されないように雨を降らせてるのかも」なんていうロマンチックな解釈を聞いたことがある。
この夜のUMEKITA FLOORでも、いくつかのロマンチックなストーリーが生まれただろうか?
ねじめし逸品 第3回 『韓菜酒家 ほうば』
タイ・バンコクのタイ料理店「NAHM(ナーム)」が、食の専門家やジャーナリストが選ぶ世界の“ベストレストラン”アジア部門で1位を獲得したという。奇しくも昨年訪れたタイで「NAHM」のディナーを楽しんだことが思い出された。
クーデター、そして戒厳令が敷かれて緊張がつづくタイだが、優しい国民性と素晴らしい文化を持った国だけに、早期の正常化を祈るばかりである。
国内国外いつでもどこでも、毎日食べる事ばかり考えてる、私。
1日に3回も欲望を満たせる素晴らしい行為と喜ぶ、私。
でも逆に言えば3回しかない…と悲しむ、私。
強欲極まりない。
というわけで? 久しぶりの”ねじめし逸品”をお送りしよう。
今回は神戸を離れて大阪、天満。韓国料理「韓菜酒家 ほうば」さんである。
日本一長いという天神橋筋商店街の東の一帯、網の目のように入り組んだ路地に無数にひしめく店・店・店…。
夜にもなると、何処からともなく湧き出てきた無数の老若男女が真夏の夜の夢の如く行き交い、南国の極彩色のけたたましさにも似た、飲み・食いジャングルと化す。
映画「ブレードーランナー」にでも出てきそうな、大阪というよりアジアの猥雑さとエキゾチシズムが渦巻くエリアを抜けたあたりに、その店はある。
若夫婦とオモニの3人で切り盛りなさっている店内は、下町の食堂の風情がある20席ほどのお店。
韓菜酒家とあるように供されるのは韓国料理なのだが、これが辛くないのだ。いや、もちろん辛味という意味では辛いんだが…
とにかくこのお店では、そんな「辛いか・辛くないか」なんて議論が馬鹿らしくなるような食経験が待っている。
惜しげもなく繰り出してくる高級食材。
その食材本来の味わいを最大限に生かしたお料理。
これらに自分の食経験やら先入観を持って挑むと、大変なことになってしまう。
そう、まあ、どっちにしろヤラれてしまうのだが、あきらかに日常とは隔絶した至福の味世界を体験させていただくことが出来る。
自分でも何を言ってるのかよくわからない気もしてきたが「筆舌に尽くしがたい」というのは、このことだろう。
[写真左から1] あわび地獄粥!
[2] イセエビ醤油漬け?
[3] 金目鯛韓国風煮付
[4] 御口直し、何処まで行っても柚子・柚子・柚子の氷結柚子冷麺
UMEKITA FLOOR 1周年
先日、大阪・梅田の大阪駅北側の大型複合施設「グランフロント大阪」がオープン1周年を迎えた。
報道によれば、1年間の来場者は約5300万人と目標の1.5倍に達したそうだ。
ちなみに、ここより1年ほど前にオープンして全国的に話題になった「東京スカイツリータウン」の1年目が5080万人らしくて、それを上回ったということだから大したものじゃなかろうか。
そのグランフロント大阪の北館6階、私がプロデュースさせてもらっている「UMEKITA FLOOR」ももちろん1周年というわけで、記念イベントが開催された。言わずもがなのお祭り騒ぎである。
【感謝=THANKS!】をテーマに、当日はライブあり、笑いあり、ダンスあり…の濃厚エンターテインメントな一夜に。
フロアは笑顔と歓声、素敵な音と美味しいニオイが満ちて、ごちゃまぜ雑多である意味猥雑な雰囲気…ながらも、とにかくみんなひたすら楽しんでくれてるのが何よりだった。
こういうちょっと特殊な空間をつくり出して、はや1年。この「場」というのものがなんとなく根付いてきているのかなと思うと、ちょっとした感慨も感じたりして。
スペシャルゲストとして、ぼんちおさむちゃん師匠とエド・はるみさんまでが登場!
こりゃカオスやなぁと思いきや、おさむちゃんはジャズボーカリストという一面もあるそうで、見事な歌声をカッコよく披露してくれて、そんなサプライズ感もグゥーググゥーなのであった。
そんなわけで2年目に突入した「UMEKITA FLOOR」。
これからも、美味しく飲んで食ってはもちろん、とにかくココへ行けば何か面白いことが起こっている場所として、ますます皆さんに楽しんでもらえれば嬉しい限り。
食と遊びが交差する”大人のたまり場”として末永くよろしくお願いします!
2014入社式
2014年、春。今年も、希望に燃える若者たちがポトマック一味に仲間入りしてくれた。
関西・関東から新入社員全員がcafe Fish!に集まっての入社式。紛れもなくこれからのポトマックを担っていくことになる彼らひとりひとり、その緊張と決意が入りまじったその表情は、なかなか頼もしいものだった。
配属店も決まって辞令を受けた彼らは、その後さっそく新入社員研修へと突入。先輩たちの愛ある洗礼を存分に受けたことだろう。
研修の様子は松下シェフのブログでも報告してくれているので、併せてご覧いただければ。
そして本稿を皆さんがお読みの頃には、彼らももうそれぞれに歩き始めているはず。「人を楽しませることを心から楽しむ」というポトマックのフィロソフィーを胸に、彼らがこれから先どこまでいってくれるのか、楽しみにさせてもらおうと思う。
それにしても………やっぱりみんな若いなー!
KOBECCO 取材
先日、神戸のタウン誌『KOBECCO(月刊神戸っ子)』から、取材をしていただいた。
タウン誌と聞くと気軽な雰囲気を連想しそうなところだが、この『KOBECCO』は1961年(昭和36年)創刊で、なんと50年以上という重厚な歴史を誇るメディア。僕が生まれる前から神戸を伝え続けているということになるわけで、先輩へのリスペクトを胸に、襟を正してお受けした次第なのだった。
そして今回オファーをいただいたのは、出演者にちなんだ神戸の各所を巡るという企画。どこへ行くかなどテーマはこちらが提案していいということで、いろいろ考えて思いついたのが『神戸クリエイティブ・ヴィレッジ』のこと。
神戸という街はよく「オシャレ」というイメージで語られるが、これはオシャレ女子が多いとかそういうことだけではなくて、ユネスコの「世界デザイン都市」に認定されている(日本では神戸と名古屋だけ)など、”デザイン”、”クリエイティブ”が根付いた街であるということも大きいはず。
そんな神戸を「デザインのチカラでもっともっと発展させよう」という集まりが『神戸クリエイティブ・ヴィレッジ』。メンバーは神戸を愛し、デザインやクリエイティブに意識的な神戸の企業の経営者の方々で、僕もその末席に名を連ねさせていただいている勉強会だ。
デザインというのは僕個人にとってもポトマックにとっても、とても大きな要素。『神戸クリエイティブ・ヴィレッジ』の活動の広報も兼ねて、今回は「神戸とクリエイティブ力」というポイントを軸に、このメンバーさんのオフィスにお邪魔して回り、おしゃべりさせていただくということになったのだった。
そんなわけでまず初めは、皆さんご存知の日本を代表する通販会社である「フェリシモ」さんにお邪魔し、矢崎和彦社長とお話しさせていただくことに。何を隠そう、この矢崎さんこそが『神戸クリエイティブ・ヴィレッジ』の発起人であらせられる。
詳しい話の内容は『KOBECCO』にてお読みいただくとして、いつもながらの貫禄オーラを放つ矢崎さんに、今回もいろんな話を聞かせていただいた。
『神戸クリエイティブ・ヴィレッジ』の意義や目的はもちろん、仕事に対する取り組み方…。同行したポトマックの社員が「経営の勉強会に参加させていただいた気分」と言っちゃうようなお話をサラリとされ、挙げ句には「社長業は楽だ」などとおっしゃる。イヤハヤ僕もそんな境地に達してみたいものである。
ちなみに、フェリシモさんは来年で創業50周年を迎えられるとのことで、今から色々と計画されているようなのでフェリシモファンの方は目が離せませんな!…と軽く宣伝しておこう。
次に向かったのは、神戸で様々な企画・デザインを手掛けられている「ルリコプランニング」。
社長の星加ルリコさんは『神戸クリエイティブ・ヴィレッジ』のメンバーにおける紅一点であると同時に、実際にデザイン、クリエイティブそのものを生業にしている唯一のメンバー。そういう意味でもこの勉強会のキーパーソン的存在といえる。
実はこちらのオフィス、ポトマック本社からも歩いて行けるくらいのご近所さん。港の倉庫を改装したもので、外観は秘密結社のアジト風なのに、中はこんなにオシャレでスマート。さすがである。
お話を聞き、手掛けられた仕事を拝見するにつけ、やはり女性ならではの視点・発想だなあと感じさせられる。デザイン、ビジネスパートナー、受け取る人…すべてに対して愛があって、みんなハッピーになる。その上でちゃんとビジネスとして成立させてしまうのがこれまたさすがである。
色々さすがな星加さんなのであった。
そして最後に、神戸を代表する子供服ブランド「ファミリア」の岡崎社長のところへ。
岡崎さんについては以前にも当「ねじレノンののれん」に登場していただいたように、普段からよくお付き合いさせていただいている方。お互いにサブカル好き、お酒好きという共通項がそうさせるのかもしれないが、もちろん真面目に仕事でも協働できればと色々企んでいるところだ。
岡崎さんご本人もクリエイティブにはかなり敏感な人で、いつも各方位にアンテナを張り、いろんなモノゴトに興味を持ち、追求している様子。
で、追求していくとどうなるかというと、最終的にはウワサや話や情報ではなくホンモノが欲しくなってしまうのであって、ファニチャーにせよ、音楽にせよ、ホンモノのデザイン、クリエイティブを追い求めることになる。
それは楽しいながらも大変だよなぁと思いつつ、そんな岡崎さんの情熱が、いわゆる老舗である「ファミリア」さんの世界観と融合して、何か面白いことになるんじゃないかと勝手に期待させていただいている。
そんな感じで、それぞれに興味深いおしゃべりをさせていただいて、取材は終了!
本当に興味深く、楽しい時間を過ごすことができた。
お忙しい中ご協力いただいた矢崎さん、星加さん、岡崎さん、そして各社さん、KOBECCOさん、ありがとうございました!
このおしゃべりの詳しい内容は『KOBECCO』4月1日発行の号に掲載される。
神戸を中心とした書店で販売のほか、神戸および近郊のホテルや施設等にも置かれているとのことなので、見かけられた際にはご覧いただければと思う。
ちなみに余談ながら、色々なお話をさせていただいておいて失礼かもしれないが一番印象に残ってしまったのは、どちらへうかがってもオフィス、社長室がオシャレ! キレイ! ということだった。
ウチのオフィスはどこを見てもガチャガチャしてるから、なんとかしたいなぁ…特に、僕のデスク…。
ポトマックナイト2014
N.Y.~Broklynから、すっかり季節は真冬の日本。
関東、関西の主要都市にも、観測史上最大の積雪。
交通の麻痺、商業施設の休館など、飲食店にとっては厳しい日々が続きました。
地球温暖化ってホントに? なんて思ってしまいますが、 逆に氷河期に入ってるなんて説もあるそうですが、どちらにせよ多発する異常気象には、我々人間には抗うすべは無いのでしょうか?
………な、深刻な状況もなんのその、今年もやってまいりました、弊社ポトマック恒例の社内パーティー『ポトマック・ナイト』。
寒さも暑さも『ポトマック・ナイト』と、 今年は関東2DAYS、関西2DAYS。ソチオリンピックのドラマにも勝る?雪をも溶かす熱きドラマが繰り広げられました!
今回は、その模様をダイジェストでお送りします!
まず開催されたのは関東。
今年はポトマックの東京進出10周年記念も兼ねてのお祭りということで、なにやらハデにやらかすとかなんとか…。
「東京 ポトマックキャバレー」がテーマということで、恵比寿のTOOTH TOOTHもこの雰囲気!
お祝いですから!キャバレーですから!と言ったか言わぬか、組み上げられたシャンパンタワーでパーティーはスタート! いつもと違う会場の空気も手伝ってか、早くも熱気熱気!
シェフ陣を中心に、料理もバッチリ。
出し物あり、ガスマスク娘あり(なんでやねん!)、ポールダンスありで大盛り上がりの2DAYSとなったのでありました。
ちなみにポールダンスの女性はプロダンサーだけど、男性の方はなんとポトマックのスタッフなんだとか! ポトマック、多彩すぎます!
2日目はあいにくの大雪に見舞われて交通機関の乱れなどもあり、恵比寿まで辿り着くのも大変な状況だったものの、参加者の大半を占める若いスタッフたちの笑顔をたくさん見るにつけ、ええなぁ、よかったなぁとしみじみ思えた「東京 ポトマックキャバレー」でした!
副産物としては、中塚総料理長がドレスアップすると大物政治家もしくはマフィアのドンに見えるという新発見もあり。
今後ネタにされること必至と言えましょう。
そして次は関西。
こちらのテーマは「FUNNY CIRCUS」。
海辺の爽やかカフェcafe Fish!が、さながらサーカステントの内部のように仕立てられ、2階席はサーカスに併設のフードマーケットに。料理も世界を巡業するサーカスにあやかって各国の特色を出してたりして、本気で遊ぶポトマックの面目躍如!
そしてオープニングには2メートルの一輪車の上でジャグリングをするパフォーマーが登場!
と、ここまでは美しい流れのようにも見えましたが、周りを見渡せば、そしてステージでゲームや出し物が進行するにつれ、やっぱり結局アホばかり!
関西人気質なのか、ポトマックナイト慣れしているからか、それともポトマックってこんなヤツばかりなのか。
しかし関西の方ならおわかりの通り、我々が言う「アホやなぁ」は「オモロイなぁ」と同じ褒め言葉。
そしてアホなことを真面目に全力でやるというのがポトマックの一面である以上、やっぱりこのポトマックナイトっていうのはポトマックらしさが凝縮されたイベントなんだなと改めて痛感。
なにしろ、常務、総料理長、専務の役員トリオがこの有様。
じゃあ僕は何してたのか? ええ、ごもっとも。
本当はバーンとドーンと開陳したいのはやまやまながら、世間様にお見せするには色々と問題がありまして。遺憾ながら今回は封印という措置を取らせていただく次第でございます。
そんなこんなで、東も西も大盛り上がりかつ笑顔笑顔笑顔で開催された2014ポトマックナイトですが、開催中、参加者が真面目な顔して話してるのを聞きました。
「来年のテーマは…」「来年は何やろうか…」「来年は…」
…いや、ほんまにアホやなぁ。
“イケメンズ” in Brooklyn ~ N.Y. Vol.6 Final
リレー形式の“イケメンズ” in Brooklyn ~ N.Y.”、お楽しみいただけただろうか?
それぞれが、それぞれに感じた米国。
4人を巡って、ふたたび僕、金指にバトンが返ってきた。
僕たちが飲食を始めた1980年代は、海外の飲食店はもちろんのこと、音楽、モード、アートなど、実際にその地へ赴かなければ知ることも手に入れることもできなかった。
もちろん気軽に気軽に海外へ出掛けられる時代でもなく、遠く離れた東洋の地で憧憬と焦燥に悶えながら、飢餓感に似た思いの日々がデフォルメされ、今のスタイルとなったのかもしれない。
2013年。世界との距離はグッと縮まって、スマートフォンでフライトの予約は完了し、海外へも気軽にひとっ飛びである。
それ以前にインターネットの普及によって、世界中の様々な情報を即座に時間差なく手にすることが出来る時代。
マクドナルドとスターバックスが軒を連ねる世界の大都市の表情は、どれもこれも同じようなものになった………と、思いきや!
やはり実際にその場所、その土地に行けば、その街の匂いがあり手触りがある。まだまだ心躍るSomethingが僕たちを待ち受け、刺激してくれる! そんなことも再確認できた今回のN.Y.だった。
若者たちよ、浜崎鬼軍曹を見よ!…あ、違う、世界を見よ!
というわけで最後は、素敵な?奇跡な?運命的な?エピソードでレポートを”華麗”に締めくくりましょ。
N.Y.に行くと必ず、72丁目のダコタハウスへ参拝に行くことにしている。
信号を渡ると、そこはストロベリーフィールズ。
“IMAGINE”のモザイクタイルを回り、紅葉の美しい秋のセントラルパークをそぞろ歩いた。
[左]ダコタハウスからセントラルパークへ闊歩するJOHN。
[右]ストロベリーフィールズと平和の記念碑。
その後、ホテルへの帰路。
バスの停留所を間違え、小さな建物に迷いこんでしまった。
どうやらそこは小さなアートギャラリー。
小さな中庭に、大人の背丈ほどの不思議な白いツリーが1本起立している。
よく見ると値札のようなタグが、じゃらじゃらと無数に吊り下げられ、白く見えていたのだ。
それぞれのタグには様々な国の言葉でお願い事が書いてあり、傍らにはまだ何も書かれていないタグと鉛筆が用意されている。
ちょうど、日本の七夕で笹に短冊を吊すのと同じような感じで、誰でもお願い事を書いてツリーに結わえ付けることが出来るものだった。
なんとこれ、オノ・ヨーコさんのアート作品で、世界の平和を願っての『Wish Tree』っていうインスタレーションだったのだ。
導かれるように迷い込んだこの場所で、こんな素敵な出会いがあるなんて。
興奮も冷めやらぬまま、僕も早速お願い事を書いて結わえ付けた。
何をお願いしたでしょう?
「チョ~儲かりますように!」。ウソウソ。
えーカッコ抜きで、こう書いた。
表面「YES」
裏面「LOVE & PEACE」
世界中の人々の願いがひとつになり、世界の中心で優しく揺れていた。
仲間たちとのN.Y.~Brooklyn。
いろんな意味で、僕たちのルーツを再発見する体験であった。
そして、仲間たちと一緒に感動し感激することが、とても大切で美しい事だと感謝した。
「ひとりで見る夢は夢でしかない。しかし誰かと見る夢は現実だ」。
オノ・ヨーコさんの言葉を改めて思い出した今回の旅だった。
サンキュー、イケメンズ!
“イケメンズ” in Brooklyn ~ N.Y. Vol.5
皆様はじめまして。軍曹?こと浜崎です。
まず、当ブログで「浜崎=鬼軍曹」というイメージを刷り込まれている皆様に。
過去このブログに紹介されました日本各地、海外各国における飲食店探検での鬼軍曹エピソードは、飲食店を経営するポトマックの一員として、すべてのお客様に料理、サーヴィス、空間を味わっていただくという理念のもと、お客様の期待にお応えせんとする、私・浜崎のサーヴィス精神であり、行動を共にする仲間たちへの最大限の「お・も・て・な・し」であると自負しておるところでありまして、よってすべては愛………愛ゆえのことなのです。
ん? 何か文句でも?
まぁ実際のところは、もう少し行けば何かあるのでは?という下心と、せっかくここまで来たんだから!という貧乏性がそうさせてるんだと思いますが…。
そもそも、私が「鬼軍曹」なら金指社長のことは「将軍様」と呼ばせていただかないといけませんね…。
さて、気を取り直して、本題のN.Y.レポート第5弾!…を始める前にもうひとつ。
誰が言ったか、どこで聞いたか「いつも奴らは、何をしに海外に行っているのか? 結局ただのグルメ旅行ではないのか?」という噂の真相を少し釈明させていただきます。
ご存知ポトマックは、グランメゾンからパティスリー、ベーカリー、和食、カフェ、和ぱすた屋、ライブレストランまで、約40もの業態を運営しています。
そして、これらの業態開発から料理はもちろん、内装デザイン、制服、メニューブック、店舗ロゴ、店内BGMセレクトまでを、すべて社内制作です。
そういったすべてのMDを作り上げるのは将軍様金指光司プロデューサーで、将軍様の枕元に降臨した妄想を具現化すべく、私をはじめポトマックの軍師たち、さらには優秀なスタッフたちが控えておるわけです。
ただ、インプットなくしてアウトプットもないので、将軍様をはじめ我々はお店に関するすべてのネタ集めのために各地に足を運んでいるんです。ただのグルメ旅行ではないんです。
異国、異文化ならではの料理、内装デザインはもちろん、スイーツ、家具・食器、ユニフォーム、調理器具、BGM、ディスプレイ、メニュー、パッケージまで目に入るものすべてを収集しストック。
そのストックが枯渇してくると「あかん。ネタ切れや」と、また新たな海外視察が計画されるというのが一連の流れです。
この視察での私の任務としては、軍曹…ではなく現地添乗員役の他に、お店作りのネタ集めという大変重要なミッションがあるわけですが、今回はその一端をご紹介することにします。
まず、今回の旅での私的No.1。
「Made Man Barber Shop」(メイドマン・バーバーショップ/理髪店)
はい、いきなり飲食と関係ないお店です。
こぢんまり・小綺麗の中にも散りばめられたインテリアが「センスえぇなぁ」と思わせてくれます。なんというか、うまいなぁと思えるお店ですね。
[左]LED照明で照らされるサラッとした白い雰囲気がなんとも。
[中]黒人のおっちゃんが着てるツイードのベストもおしゃれ。
[右]写真撮ってたらピースサインしてくれました。おちゃめです。
では次。どんどん行きますよ。
私的No.2のお店です。
「M.O.B.」(ヴィーガン・レストラン)
[左]看板からしてポップ。これだけ見るとベジタリアンの店には見えません。
[中]看板とは違って、内装はちょっとキレイめ…
[右]と思ったら左の壁はこの通り。やっぱり遊び心満載です。
ヴィーガン・レストランというのはベジタリアン向けの料理を出すお店で、最近は日本でも増えてきてますね。
そして店名は「Maimonide Of Brooklyn」の略。このMaimonideというのは中世の哲学者・医学者の名です。「薬よりもまずは、普段の食事によって健康な心身を保つ」という考えだそうで、これに基づいて運営されているみたいですね。
そう聞くとちょっと堅苦しく思えるかもしれませんが、それを写真の通りのポップさで楽しくアーティスティックにやっちゃってるのがこのお店のカッコいいところ。
[左]壁の装飾、照明の演出、そしてお客さんもおしゃれ。
[中]こちらが奥の厨房。真っ白です。
[右]片隅にあったコレ、何かと思って覗いてみると、なんとインベーダーゲーム。このテーブルわざわざ作ったんでしょうかね?
続いては、私が気になったお店、風景をランダムにズラーッと並べてみます。
[左]「Brooklyn Crab」というシーフードレストラン。
[中]「Brooklyn Crab」店内。楽しい!
[右]こちらはレポート第1弾で登場した「Brooklyn Bowl」のトイレ。
[左]第4弾で出てきた「Freemans」店内。少し前から話題になってましたが、実物を見たら圧倒されました。
[中]これはドコだったか…料理を受け取るだけのカウンターなんですが、このおしゃれさ。
[右]どこぞのDJブース。「リクエストお断り」すらかっこいい。
[左]「High Line Hotel」内のカフェ。
[中]N.Y.で流行のルーフトップ。このガラス屋根が開閉ドーム的に開くんですが…日本で作れる業者さんがいたらご一報を!
[右]これは第3弾に出た移動式ピザ窯。焼き芋も焼けそう。
[左]WALL ART !
[中]アンティークショップ。全部買って帰りたかったなぁ。
[右]イケメンズ、ちょっと遠目に一応自由の女神を見る、の図。
[左]これはおしゃれ! 使えるな~。
[中]おしゃれな屋台がポツリ。
[右]これきっと、お客さんが入ってたらカッコいいんやろなぁ。
[左]カラーランプが新鮮!
[中]カワイイな~。
[右]ポップな厨房機器。う~、買って帰りたかった…
[左]ここから見るマンハッタン、100点!
[中]キュートすぎるアテンドカウンター。欲しい。
[右]このソファー、カッコいいでしょ?
[左]ベンチも素敵だけど、手すりに味がある。
[中]これは本棚? なんか良いバランスやなぁ。
[右]シャッターを開くとフルオープンで気持ちいい。少々寒くても誰も文句いわないんだろうな。いつか日本でやっちゃおう。
[左]シンプル&キモチチイ◎
[中]売り場と厨房、これがこのお店の全部。そして実はスイーツショップです。
[右]こちらはスペアリブのお店。店内いい感じやわ~。
[左]先ほどのスペアリブのお店、店の前で調理中?
[中]大量のリブを絶賛仕込み中。
[右]ただただゆる~い。
[左]ただの営業車なのに、このスマートなおしゃれさ。
[中]ポトマックでもたまに屋台つくるので、参考に。
[右]これは何?ここはどこ?
[左]ドライエージングビーフのディスプレイ。
[中]なんかN.Y.っぽくないですか?
[右]いい感じ。
[左]こんなちょっとした柵にもデザインとこだわりが。
[中]座ってるモデルさんもいいんですけど、このソファーがいいですよね。ソファーが。
[右]雑誌なんかにも載ってたりする、おしゃれで有名な「ACE HOTEL」。やっぱり素晴らしい。
[左]ポップな色使いでかわいい? いやいやいや、よく見てください。
[中]ほら、これやっぱりなんか狂ってますよ。なんでここに靴。
[右]…狂ってるけど、バランスいいね。
[写真左から1]すごくいい感じだけど、わざとやってるのか、適当なのか判断に苦しむところ。
[2]メニューブック。
[3]うん、いいね。
[4]ここのカウンター、シブいねぇ。
[左]私がブルックリンといわれて思い浮かべる勝手なイメージってこういう感じ。
[中]「WYTHE HOTEL」のバーテン。愛想悪かったけどいい味出してました。
[右]今回お気に入りのBARの1つ。ホールと同じくらいの広さのガレージ?ハーレーが2台。前の晩は古いフォード・ムスタングでした。
[左]これ何だと思います? 最新の「High Line Hotel」のフロントです。はい、たったこれだけです。
[中]次のお店でアイデア使っちゃおうかな。
[右]照明ナイス。
[左]厨房から料理が出てくるデシャップカウンター。じーっと見てたんですが、素晴らしく機能的でカッコいい。
[中]倉庫みたいなところでやってるBBQショップ。見事に賑わってます。
[右]誰が作ったのか、あってもなくてもいいんだろうけど、なくなるとそれはそれで雰囲気変わっちゃうんでしょうね。
[左]端っこがカッコいい。
[中]通りがかりにあった看板屋?の倉庫に、ナイスな看板。素晴らしい。
[右]N.Y.では肉屋さんもこのおしゃれっぷり。
[左]壁面に牛肉の部位のイラスト。
[中]来年のビアガーデンはこれでいくとするか。
[右]さすがはUSAと思わせる、大胆なオープンエアー。
[左]ほとんどの人は目に留めることもないような部分だと思いますが…この黒いドアを吊っている「金物」がいい!
[中]邪魔な柱があら不思議、おしゃれなサインに。アイデアとセンスの勝利。
[右]そんなわけで、夜な夜なN.Y.探検を繰り広げた私たちでありました。
いや~、写真ばかりですいません。
でも、まだまだ終わりませんよ!
というわけで次は、N.Y.で収集したカッコいいお店の「エントランス」集です。
なんせエントランスだけですから、何のお店かもよくわからなかったりしますので、説明もナシで一気にいきますよ!
さあさあ、次はカッコいい看板、ロゴのデザイン集!
これまた一気にいきます。
以上!
本当に写真だらけになってしまいましたが、もちろんこれはほんの一部。
今回は、私だけでも約1500枚、金指社長の分を入れると軽く3000枚は超える写真を撮ってきています。
まぁこれは視察旅行から帰ってくるたび思うんですが、写真集作れてしまいますよね…。
そんなこんなで、私のレポートは終わらせていただきたいと思います。
近い将来、皆さんがポトマックのお店で「なんか見たことあるなぁ」と思ってこの写真たちが思い浮かんだら、それは今回のミッションが実を結んだということです。
その時は「お、奴ら、ちゃんと仕事しとるな」と思ってやってくださいませ。
というわけで、次回はN.Y.レポート最終回。金指社長が華麗に締めてくれると思います。
それでは。
“イケメンズ” in Brooklyn ~ N.Y. Vol.4
リレー形式でお届け中のポトマックN.Y.レポート第4弾は、関東・ソーワット事業部ジェネラルマネージャー荒井がお送りします!
いきなりなんですが、実は私、今回のN.Y.研修と身内の結婚式がバッティングしてしまい、自分だけ遅れてのN.Y.入りでした。
神社での厳かな神式挙式だったので「日本っていいな」としみじみと感じながら、次の日には飛行機でN.Y.へ………そんな怒涛の展開で私のN.Y.はスタートするのでした。
さて、そもそも旅慣れていないうえに、先述のとおり気持ちの切り替えままならぬ私は1人でドキドキしながら到着したわけですが、まず初めに他のメンバーと待ち合わせしたのがブルックリンにあるこちら。
「Wythe Hotel」(ワイス・ホテル)
このホテルがめちゃくちゃカッコいい!
1901年に建てられた木樽工場をリノベーションして作られたものらしく、褐色のレンガの壁にアンティークな家具を配置して、シンプルだけど洗練された印象が漂う、まさにブルックリンを象徴するホテルです。
[写真左から1]ホテル外観の圧倒的なデザインに今回の研修の期待が膨らみます。
[2]ラギットなレンガ壁にモダンなライトがアクセントに。
[3]ロビーに併設されたカフェ&レストランはこんな感じ。
[4]ここのホテルはルーフトップをうまく使ったラウンジバーがまた圧巻!
今思うと、このホテルを利用していた人たちが今回の旅行の中で一番おしゃれでかっこいい人が多かったように感じます。
まさにこれぞN.Y.の最新スポットなんでしょう。
最初のインパクトがあまりにも強くて余談が長くなりましたが、そろそろ本題へ。
わたくし荒井が送るNYレポート第4弾のテーマは『ニューヨーカーの日常的スポット』。
観光地というよりも、トレンドに敏感な地元の人が集まる、そして使えるスポットを中心にレポートしていきます。
それでは皆さんお付き合いください!
まず「トレンドに敏感な人は朝はジョギングだろう!」と勝手な思い込みで早朝から向かったのは、ミートパッキングエリアにあるコレ。
「ハイライン」(公園?)
ハイラインは、貨物列車専用の高架を取り壊すことなく遊歩道として再開発された公園なんです。
様々な花や草木が植えられ手入れは行き届き、日光浴に最適なサンデッキが並んだりとニューヨーカーの憩い場所になっています。
高架線のため地上9mからの景色もよく、ジョギングやウォーキングに最適なスポット。
それでは早速、空中散歩としゃれ込みます!
[左]早朝ハイク、スタート!
[中]工事は2006年から始まりまだまだまだ工事中。線路ならぬ公園はつづくよ、どこまでも~
[右]線路の幅に合わせた木製サンデッキがいい感じ・・・・
日本だったら取り壊してすぐにマンションやビルが建ち並びそうなところですが、市民の声から取り壊さず公園となったようで、ニューヨーカーの大きな遊び心に感心しつつ、早朝の澄んだ空気を満喫しました。
「運動の後はお腹が減る!」
「何が食べたい?」
「本場アメリカのハンバーガー!」
そんな安易な成り行きだったかどうかはともかく、向かったのは2004年のオープン以来No.1ハンバーガーとして人気を集めているというお店。
「Shake Shack」(シェイク・シャック/ハンバーガー・スタンド)
ニューヨーカーの間でも一番おいしいと呼び声も高い、マディソンスクエアパーク内にある人気店です。
こんな公園内にお店を出せるのは政治の力が働いているはず…などと妄想しつつ公園内を進みます。
本当に人気店で終日行列が絶えないお店らしいんですが、時間が早かったからか、ほぼ一番乗り。
早速ハンバーガーを注文すると、日本のフードコートでも見かける「出来上がったらプルプルして教えてくれる端末」を渡されます。
この時点では、お店の環境に惑わされてハンバーガーの実力にはまだまだ半信半疑な私。
待つこと5分ほどで出来立てのハンバーガーをゲットし、早速いただくことに…。
ひと口かぶりついてもその美味しさがまだわからず、至ってごく普通な印象。
しかし、ここからの巻き返しがすごかった。食べ進めていくと、あれよあれよと止まらなくなり、結構なボリュームにもかかわらずペロリと平らげてしまいました。
で、最終的には…やはり美味しい! 一番感じたのは食感のバランスが絶妙なこと。
しっとりとして少し粘り気のあるバーンズと、それに挟むパテの食感やレタスの量がちょうどよく、その上まろやかなチーズが相まって、とどめに口の中でお肉の味わいが広がる。
なるほど行列が絶えないわけだ、と妙に納得してしまいました。
[写真上]ん? 店構えからはNo.1ハンバーガーショップのオーラはあまり…。
[写真下]出来上がったハンバーガーはこんな感じ。
さて、その後の我々は、セントラルパーク、タイムズスクエア、ブロードウエー、自由の女神などなど世界的観光スポット………には目もくれず、赴いた先はマンハッタンの南西部「イーストビレッジ」と「ロウアーイースト・サイド」周辺。
この地域はかつての移住者が多く住むエリアで、まさに人種の坩堝(るつぼ)といえる場所。
決して治安がいいわけではなく、むしろ夜間には踏み入りたくない雰囲気の場所でした。
そんなエリアに、最近はカフェやヴィンテージショップなどが増え、N.Y.の若者の注目を集めているという話。ということでそぞろ歩きしてみました。
さっそくコーヒースタンドを発見したので、ちょっと寄ってみます。
そういえば最近N.Y.では淹れ方にこだわった質のよいコーヒーを提供するコーヒースタンドが増えている様子。
クオリティーにうるさく忙しいニューヨーカーをターゲットに「さっと行って本格コーヒーをぱっと立ち飲み」というバルのようなお店がN.Y.で増えるのは必然的な流れなのでしょう。
東京でも新感覚のおしゃれコーヒースタンドを目にすることが増えましたが、これはN.Y.発信のトレンドなのでしょうか?
コーヒーの器材はアメリカでも日本製の方が愛用されているといいますし、もしかすると東京発なのでしょうか??
[写真上]イーストビレッジのコーヒースタンド。
[写真下]オープンしたて? なんだかドタバタ…というかスタッフ多すぎ(笑)
次はロウアーイースト・サイドへ。
こちらのお店は、ユニークなアイデアで大成功を収めたサンフランシスコ生まれの四川料理のお店です。
「Mission Chinese Food」(ミッション・チャイニーズ・フード/四川料理)
はて、ユニークって何がユニークなんでしょう?
その意味は、お店に着いて納得!
[左]なかなか入りづらい入口。
[中]店内、頭上には龍が。真ん中、我ながらウキウキ顔ですね(笑)。
[右]出てきたメニューブックも、このふざけよう(笑)。
グリーンに光る怪しい入口から、キッチンを覗ける狭い1階通路を通りいざ2階へ。
2階店内はまるで春節祭!? 真っ赤な店内に提灯とハリボテの龍が踊り、さらに天井には椅子が吊され…ガチャガチャのユルさがなんとも(笑)。
しかし、そんな店内で思い思いに振る舞うニューヨーカーが食事をしていると、なぜかおしゃれに見えるから不思議。
ひとまず、これはきっと計算され尽くした高等なデザインなのだろう!と思うことにしました。はい。
さて、提供される料理はというと、がっつりパンチが効いていて本格派。
その上、本当に美味しい中華料理を食べたときに感じる、どこか繊細な味わいも。
そう考えると、この味だからこそ、あの内装が生きてくるということなんですね。
店内のイメージと本格的なお料理のギャップにやられて「いい意味で裏切られた!」という表現がぴったりなお店です。
近くにはチャイナタウンもあり、中華料理を食べ慣れているはずのニューヨーカーたち。そんな彼らを虜にする理由もわかるような気がします。
[写真上]アメリカ流にアレンジしない、本場の四川料理をウリにしているとあって、その辛さ・スパイシーさは容赦無し。
[写真下]夜はこんな感じになって、さらに怪しさが増します。
本当に面白い良いお店だったので調べてみると
その仕掛け人はシェフ兼オーナーであるダニー・ボーウィエンさんというお人。見た目はやんちゃそうな人ですが、ユニクロのキャンペーンにも登場したりと、アメリカのお茶の間を賑わすレストラン業界の時の人でした。
恵比寿でこんな店やったら流行るよなぁ~と、そんなことばかり考える今日この頃です。
続きましてはロウアーイーストサイドの路地に立つ隠れ家レストラン。
「Freemans」(フリーマンズ/レストラン)
[左]お店構えはこんな感じです。路地裏の雰囲気が伝わるでしょうか?
[中]店内奥には長テーブルの個室が。また違った雰囲気で良い感じ。
[右]ビーツとナッツのオレンジ風味のサラダ。甘いナッツがサラダのアクセントになっていて、印象に残る美味しさでした。
こちらのオーナーさんも建築やインテリアデザイン、DJなど様々な分野で注目を集めている人らしく、店づくりにただならぬセンスを感じます。
このお店は何と言っても内装へのこだわりでしょう!
オーナーが愛情を注ぎ、少しずつ増改築を進めてきたんじゃないかな~なんて想像ふくらむ「一点もの」お店です。
一方でお料理もセンスが感じられるもので、世界観を表現できる人はお料理もクリエイトするんですね。
近くにあれば通いたいお店。
[写真]剥製のデコレーションや アンティーク・ウッドのカウンターが、ヒップでエッジーな雰囲気!
イーストビレッジには、どうしても見ておきたかったお店があります。
「MOMOFUKU」(モモフク)
可愛らしい名前ですが、N.Y.で大人気のレストランチェーンです。
オーナーさんはデビッドチャンさん御年36歳(同じ名前の香港スターがいたような…)。
2003年に「モモフク・ヌードル・バー」というラーメン屋さんをイーストビレッジにオープンさせ、人気に火が付きます。
[写真]「モモフク・ヌードル・バー」の店内。小洒落た立ち食いそば屋さんみたい
彼のお店は英国の権威あるグルメ雑誌で世界のレストランTOP50に入ったり、ミシュラン2つ星のお店もあるぐらいに世界で高い評価を得ています。
また、出す店出す店が軒並みニューヨークタイムズのダイニング欄で絶賛される、今、注目の若手料理家 兼 実業家なのです。
ちなみに「モモフク」という名は、日本の日清食品の創業者にしてチキンラーメン、カップヌードルの開発者である安藤百福さんからいただいたんだそうです。
そんな彼の持ち味は、アジアとアメリカのテイストを融合させた独特の料理スタイル。その細部にはフランス料理の技術が取り入れられているんだそうです。
そこでふと気付いたのは、それってまさに私たちが日々喧々諤々話し合いながら考えている料理テーマと近いものがあるな、ということ。
私たちが日頃考えているのは「料理のジャンルの垣根を越えて、みなさんが感動する料理を提供したい!」ということ。
でもそれがデタラメな創作料理になっては元も子もありませんから、それを取りまとめ、料理として新しい価値を持つものにするために必要なのが料理の知識であり、技術だと思っています。
私たちの料理でもそこに”フレンチの技法”が大きく根を張っていて、テーマにしても手法にしても、どこか近いものをモモフクには感じます。
それに、モモフクの食をクリエイトする感性や、ビジネスモデルにも共感できるところは少なくないんです。
おしゃれなラーメン屋さんから始まり、ミシュランで星を取るファインダイニングから中華饅頭とクッキーをウリにするミルクバーなるカフェまで、切り口は全然違いますが、やはりポトマックと似ている部分が多いなぁと思わされます。
オーナーのデビッドさんと金指社長は、同じベクトルの人なのかも?と感じた次第です。
さて前置きが長くなりましたが、いろいろあるモモフクの系列店のなかで今回お邪魔したお店は
「MOMOFUKU Ssam Bar」(モモフク・サアム・バー)
そう、世界のレストランTOP50に入ったお店です。
[写真左から1]店内は濃い木の色合いがアジアの雰囲気を演出。落ち着いたバーのようでもあります。
[2]こちらはお店のおすすめ料理「リンゴキムチ」。ごろっとしたリンゴをキムチで漬け込んでます。
[3]おいしい生ハムが充実していました。食べ方も独特に、黒酢マヨネーズで。
[4]パクチーやナンプラーで味付けしたコーンを香ばしく焼き上げた、エスニックグリルドコーン。
お料理はシンプルに美味しい。
そしてそれ以上に、彼の料理には誰かに教えたくなるような楽しさと驚きがありました。
こんなカジュアルなお店ですが、美味しい発想が随所に織り込まれていて、大人が楽しいエンターテインメントを感じさせてくれます。
今の自分は少し頭でっかちになってるのかも? いいお店って?…なんてことを改めて考えさせられるお店でした。
余談ですが、サービスしてくれたおしゃれなお兄さんがお料理を提供してくれた後に添えてくれた一言は
「Let’s Enjoy!」
日本でいう「ごゆっくりどうぞ」的な、気軽なニュアンスだと思います。
でも、妙に心に残りました。
おしゃれスポットといいながら、N.Y.で感化されたお店を長々と書き連ねていくと、アジアの食レポのような内容になりました(笑)。
つまり「ザ・アメリカ」的な部分よりも、いろんな情報や文化がMIX & MATCHしたN.Y.の懐の深さの部分に、カッコよさを感じたということなんだと思います。
あと、このレポートを書くうちに気づいたのが、気になるお店やスポットを訪れることで、結局は、料理はもちろんデザインや音楽、経営などを手掛ける才覚あふれる若い実業家たちの仕事を見ることができたということ。
彼らの人柄が伝わるようなストリート感あふれるお店に実際に触れて、感性をブラッシュアップできるいい機会となりました。
積み上げたロジックを少しだけ横に置いておき、考えるのではなく感じることも大切ですね。
こんな機会をいただいて、本当にありがたい限り。みなさんに感謝です。
さて、次回のレポート第5弾は、現地では本当にお世話になりました我ら「チームイケメンズ」の軍曹・浜崎常務へバトンタッチです。