“イケメンズ” in Brooklyn ~ N.Y. Vol.4

リレー形式でお届け中のポトマックN.Y.レポート第4弾は、関東・ソーワット事業部ジェネラルマネージャー荒井がお送りします!

いきなりなんですが、実は私、今回のN.Y.研修と身内の結婚式がバッティングしてしまい、自分だけ遅れてのN.Y.入りでした。
神社での厳かな神式挙式だったので「日本っていいな」としみじみと感じながら、次の日には飛行機でN.Y.へ………そんな怒涛の展開で私のN.Y.はスタートするのでした。

 
さて、そもそも旅慣れていないうえに、先述のとおり気持ちの切り替えままならぬ私は1人でドキドキしながら到着したわけですが、まず初めに他のメンバーと待ち合わせしたのがブルックリンにあるこちら。

「Wythe Hotel」(ワイス・ホテル)

このホテルがめちゃくちゃカッコいい!
1901年に建てられた木樽工場をリノベーションして作られたものらしく、褐色のレンガの壁にアンティークな家具を配置して、シンプルだけど洗練された印象が漂う、まさにブルックリンを象徴するホテルです。

potomak new york Wythe hotel[写真左から1]ホテル外観の圧倒的なデザインに今回の研修の期待が膨らみます。
[2]ラギットなレンガ壁にモダンなライトがアクセントに。
[3]ロビーに併設されたカフェ&レストランはこんな感じ。
[4]ここのホテルはルーフトップをうまく使ったラウンジバーがまた圧巻!

今思うと、このホテルを利用していた人たちが今回の旅行の中で一番おしゃれでかっこいい人が多かったように感じます。
まさにこれぞN.Y.の最新スポットなんでしょう。

 
 
最初のインパクトがあまりにも強くて余談が長くなりましたが、そろそろ本題へ。

わたくし荒井が送るNYレポート第4弾のテーマは『ニューヨーカーの日常的スポット』。
観光地というよりも、トレンドに敏感な地元の人が集まる、そして使えるスポットを中心にレポートしていきます。
それでは皆さんお付き合いください!

 
まず「トレンドに敏感な人は朝はジョギングだろう!」と勝手な思い込みで早朝から向かったのは、ミートパッキングエリアにあるコレ。

「ハイライン」(公園?)

ハイラインは、貨物列車専用の高架を取り壊すことなく遊歩道として再開発された公園なんです。
様々な花や草木が植えられ手入れは行き届き、日光浴に最適なサンデッキが並んだりとニューヨーカーの憩い場所になっています。
高架線のため地上9mからの景色もよく、ジョギングやウォーキングに最適なスポット。
それでは早速、空中散歩としゃれ込みます!

potomak new york highline[左]早朝ハイク、スタート!
[中]工事は2006年から始まりまだまだまだ工事中。線路ならぬ公園はつづくよ、どこまでも~
[右]線路の幅に合わせた木製サンデッキがいい感じ・・・・

日本だったら取り壊してすぐにマンションやビルが建ち並びそうなところですが、市民の声から取り壊さず公園となったようで、ニューヨーカーの大きな遊び心に感心しつつ、早朝の澄んだ空気を満喫しました。

 
「運動の後はお腹が減る!」
「何が食べたい?」
「本場アメリカのハンバーガー!」

そんな安易な成り行きだったかどうかはともかく、向かったのは2004年のオープン以来No.1ハンバーガーとして人気を集めているというお店。

「Shake Shack」(シェイク・シャック/ハンバーガー・スタンド)

ニューヨーカーの間でも一番おいしいと呼び声も高い、マディソンスクエアパーク内にある人気店です。
こんな公園内にお店を出せるのは政治の力が働いているはず…などと妄想しつつ公園内を進みます。

本当に人気店で終日行列が絶えないお店らしいんですが、時間が早かったからか、ほぼ一番乗り。
早速ハンバーガーを注文すると、日本のフードコートでも見かける「出来上がったらプルプルして教えてくれる端末」を渡されます。
この時点では、お店の環境に惑わされてハンバーガーの実力にはまだまだ半信半疑な私。
potomak new york shake shack待つこと5分ほどで出来立てのハンバーガーをゲットし、早速いただくことに…。

ひと口かぶりついてもその美味しさがまだわからず、至ってごく普通な印象。
しかし、ここからの巻き返しがすごかった。食べ進めていくと、あれよあれよと止まらなくなり、結構なボリュームにもかかわらずペロリと平らげてしまいました。

で、最終的には…やはり美味しい! 一番感じたのは食感のバランスが絶妙なこと。
しっとりとして少し粘り気のあるバーンズと、それに挟むパテの食感やレタスの量がちょうどよく、その上まろやかなチーズが相まって、とどめに口の中でお肉の味わいが広がる。
なるほど行列が絶えないわけだ、と妙に納得してしまいました。

[写真上]ん? 店構えからはNo.1ハンバーガーショップのオーラはあまり…。
[写真下]出来上がったハンバーガーはこんな感じ。

 
さて、その後の我々は、セントラルパーク、タイムズスクエア、ブロードウエー、自由の女神などなど世界的観光スポット………には目もくれず、赴いた先はマンハッタンの南西部「イーストビレッジ」と「ロウアーイースト・サイド」周辺。

この地域はかつての移住者が多く住むエリアで、まさに人種の坩堝(るつぼ)といえる場所。
決して治安がいいわけではなく、むしろ夜間には踏み入りたくない雰囲気の場所でした。
そんなエリアに、最近はカフェやヴィンテージショップなどが増え、N.Y.の若者の注目を集めているという話。ということでそぞろ歩きしてみました。

 
potomak new york coffeeさっそくコーヒースタンドを発見したので、ちょっと寄ってみます。
そういえば最近N.Y.では淹れ方にこだわった質のよいコーヒーを提供するコーヒースタンドが増えている様子。
クオリティーにうるさく忙しいニューヨーカーをターゲットに「さっと行って本格コーヒーをぱっと立ち飲み」というバルのようなお店がN.Y.で増えるのは必然的な流れなのでしょう。
東京でも新感覚のおしゃれコーヒースタンドを目にすることが増えましたが、これはN.Y.発信のトレンドなのでしょうか?
コーヒーの器材はアメリカでも日本製の方が愛用されているといいますし、もしかすると東京発なのでしょうか??

[写真上]イーストビレッジのコーヒースタンド。
[写真下]オープンしたて? なんだかドタバタ…というかスタッフ多すぎ(笑)

 
 
 
次はロウアーイースト・サイドへ。
こちらのお店は、ユニークなアイデアで大成功を収めたサンフランシスコ生まれの四川料理のお店です。

「Mission Chinese Food」(ミッション・チャイニーズ・フード/四川料理)

はて、ユニークって何がユニークなんでしょう?
その意味は、お店に着いて納得!

potomak new york mission chineese [左]なかなか入りづらい入口。
[中]店内、頭上には龍が。真ん中、我ながらウキウキ顔ですね(笑)。
[右]出てきたメニューブックも、このふざけよう(笑)。

グリーンに光る怪しい入口から、キッチンを覗ける狭い1階通路を通りいざ2階へ。
2階店内はまるで春節祭!? 真っ赤な店内に提灯とハリボテの龍が踊り、さらに天井には椅子が吊され…ガチャガチャのユルさがなんとも(笑)。
しかし、そんな店内で思い思いに振る舞うニューヨーカーが食事をしていると、なぜかおしゃれに見えるから不思議。
ひとまず、これはきっと計算され尽くした高等なデザインなのだろう!と思うことにしました。はい。

potomak new york mission chineese foodさて、提供される料理はというと、がっつりパンチが効いていて本格派。
その上、本当に美味しい中華料理を食べたときに感じる、どこか繊細な味わいも。

そう考えると、この味だからこそ、あの内装が生きてくるということなんですね。
店内のイメージと本格的なお料理のギャップにやられて「いい意味で裏切られた!」という表現がぴったりなお店です。
近くにはチャイナタウンもあり、中華料理を食べ慣れているはずのニューヨーカーたち。そんな彼らを虜にする理由もわかるような気がします。

[写真上]アメリカ流にアレンジしない、本場の四川料理をウリにしているとあって、その辛さ・スパイシーさは容赦無し。
[写真下]夜はこんな感じになって、さらに怪しさが増します。

 
本当に面白い良いお店だったので調べてみると
その仕掛け人はシェフ兼オーナーであるダニー・ボーウィエンさんというお人。見た目はやんちゃそうな人ですが、ユニクロのキャンペーンにも登場したりと、アメリカのお茶の間を賑わすレストラン業界の時の人でした。
恵比寿でこんな店やったら流行るよなぁ~と、そんなことばかり考える今日この頃です。

 
続きましてはロウアーイーストサイドの路地に立つ隠れ家レストラン。

「Freemans」(フリーマンズ/レストラン)

potomak new york freemans

[左]お店構えはこんな感じです。路地裏の雰囲気が伝わるでしょうか?
[中]店内奥には長テーブルの個室が。また違った雰囲気で良い感じ。
[右]ビーツとナッツのオレンジ風味のサラダ。甘いナッツがサラダのアクセントになっていて、印象に残る美味しさでした。

こちらのオーナーさんも建築やインテリアデザイン、DJなど様々な分野で注目を集めている人らしく、店づくりにただならぬセンスを感じます。

potomak new york freemansこのお店は何と言っても内装へのこだわりでしょう!
オーナーが愛情を注ぎ、少しずつ増改築を進めてきたんじゃないかな~なんて想像ふくらむ「一点もの」お店です。
一方でお料理もセンスが感じられるもので、世界観を表現できる人はお料理もクリエイトするんですね。
近くにあれば通いたいお店。

[写真]剥製のデコレーションや アンティーク・ウッドのカウンターが、ヒップでエッジーな雰囲気!

 
イーストビレッジには、どうしても見ておきたかったお店があります。

「MOMOFUKU」(モモフク)

potomak new york momofuku noodle bar可愛らしい名前ですが、N.Y.で大人気のレストランチェーンです。
オーナーさんはデビッドチャンさん御年36歳(同じ名前の香港スターがいたような…)。

2003年に「モモフク・ヌードル・バー」というラーメン屋さんをイーストビレッジにオープンさせ、人気に火が付きます。

[写真]「モモフク・ヌードル・バー」の店内。小洒落た立ち食いそば屋さんみたい

彼のお店は英国の権威あるグルメ雑誌で世界のレストランTOP50に入ったり、ミシュラン2つ星のお店もあるぐらいに世界で高い評価を得ています。
また、出す店出す店が軒並みニューヨークタイムズのダイニング欄で絶賛される、今、注目の若手料理家 兼 実業家なのです。

ちなみに「モモフク」という名は、日本の日清食品の創業者にしてチキンラーメン、カップヌードルの開発者である安藤百福さんからいただいたんだそうです。

そんな彼の持ち味は、アジアとアメリカのテイストを融合させた独特の料理スタイル。その細部にはフランス料理の技術が取り入れられているんだそうです。

 
そこでふと気付いたのは、それってまさに私たちが日々喧々諤々話し合いながら考えている料理テーマと近いものがあるな、ということ。

私たちが日頃考えているのは「料理のジャンルの垣根を越えて、みなさんが感動する料理を提供したい!」ということ。
でもそれがデタラメな創作料理になっては元も子もありませんから、それを取りまとめ、料理として新しい価値を持つものにするために必要なのが料理の知識であり、技術だと思っています。
私たちの料理でもそこに”フレンチの技法”が大きく根を張っていて、テーマにしても手法にしても、どこか近いものをモモフクには感じます。

それに、モモフクの食をクリエイトする感性や、ビジネスモデルにも共感できるところは少なくないんです。
おしゃれなラーメン屋さんから始まり、ミシュランで星を取るファインダイニングから中華饅頭とクッキーをウリにするミルクバーなるカフェまで、切り口は全然違いますが、やはりポトマックと似ている部分が多いなぁと思わされます。
オーナーのデビッドさんと金指社長は、同じベクトルの人なのかも?と感じた次第です。

 
 
さて前置きが長くなりましたが、いろいろあるモモフクの系列店のなかで今回お邪魔したお店は

「MOMOFUKU Ssam Bar」(モモフク・サアム・バー)
そう、世界のレストランTOP50に入ったお店です。

potomak new york momofuku ssam bar

[写真左から1]店内は濃い木の色合いがアジアの雰囲気を演出。落ち着いたバーのようでもあります。
[2]こちらはお店のおすすめ料理「リンゴキムチ」。ごろっとしたリンゴをキムチで漬け込んでます。
[3]おいしい生ハムが充実していました。食べ方も独特に、黒酢マヨネーズで。
[4]パクチーやナンプラーで味付けしたコーンを香ばしく焼き上げた、エスニックグリルドコーン。

お料理はシンプルに美味しい。
そしてそれ以上に、彼の料理には誰かに教えたくなるような楽しさと驚きがありました。
こんなカジュアルなお店ですが、美味しい発想が随所に織り込まれていて、大人が楽しいエンターテインメントを感じさせてくれます。
今の自分は少し頭でっかちになってるのかも? いいお店って?…なんてことを改めて考えさせられるお店でした。

余談ですが、サービスしてくれたおしゃれなお兄さんがお料理を提供してくれた後に添えてくれた一言は
「Let’s Enjoy!」
日本でいう「ごゆっくりどうぞ」的な、気軽なニュアンスだと思います。
でも、妙に心に残りました。

 
 
おしゃれスポットといいながら、N.Y.で感化されたお店を長々と書き連ねていくと、アジアの食レポのような内容になりました(笑)。
つまり「ザ・アメリカ」的な部分よりも、いろんな情報や文化がMIX & MATCHしたN.Y.の懐の深さの部分に、カッコよさを感じたということなんだと思います。

 
あと、このレポートを書くうちに気づいたのが、気になるお店やスポットを訪れることで、結局は、料理はもちろんデザインや音楽、経営などを手掛ける才覚あふれる若い実業家たちの仕事を見ることができたということ。
彼らの人柄が伝わるようなストリート感あふれるお店に実際に触れて、感性をブラッシュアップできるいい機会となりました。

積み上げたロジックを少しだけ横に置いておき、考えるのではなく感じることも大切ですね。
こんな機会をいただいて、本当にありがたい限り。みなさんに感謝です。

 
さて、次回のレポート第5弾は、現地では本当にお世話になりました我ら「チームイケメンズ」の軍曹・浜崎常務へバトンタッチです。



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