その3からのつづき。
ピピ諸島は、たくさんの島が点在し独特の風景を作っている。
島々の交通機関は、基本的に海上を行く簡素な船のみ。
だからこそ、美しい景観を保つことが出来ているのだろう。
そして今回の大きな目的のひとつが、この島々の中にある、ある場所を訪れることだった。
それは、レオナルド・ディカプリオの主演映画『THE BEACH』のロケ地となった、ピピレイ島のマヤ湾。
言うまでもなく、そこへ向かうのも船だ。
穏やかな浅瀬から出て沖合へ進むと、大海のうねりをモロに受けて船は盛大に揺れる。
船酔いする人にとってはつらい道中である。
そんな苦行を乗り越えた者だけが目にすることができるのが、
まさに「THE BEACH」と呼ぶにふさわしい、この天国のような風景だ。
この日は本当にラッキーだったようで、雨期真っ只中の奇跡的な晴れ間だったそうだ。
世界的に知られる映画ゆかりの地ということで、普段は多くの観光客で賑わうらしいが
雨期ど真ん中ということもあってか人もほとんど居らず、楽園を独占状態。
ふと見れば、そんな砂浜の片隅に寄り添うように白人男性が数人。
おやおや、こんなところでもBOY’S LOVEかしら…なんて思っていたら
なんと、ここまで来た喜びのあまり岩から飛び降りた(!)男が
両足首を骨折(!!)して動けなくなっていた。
そこから繰り広げられた現地ガイドたちと白人たちの救出劇は、まるで映画の1シーン。
やはり旅はいろんなことが起こるものだ…。
ちなみにこの島、リーフに囲まれて波も荒いので船が接岸できない。
つまり、近くまで船で行ったあとは、なんと泳いで辿り着くほかないのであった。
その困難さと恐ろしさは…皆さんの想像にお任せすることにしよう。
そういえば映画『THE BEACH』も、美しいけど恐ろしい映画だった。
というわけで、タイの旅行&視察記も次回が最終回。
また近日。